エロスの昇華・男女の協同作業 〜サロメ〜

カルロス・サウラ監督のフラメンコ映画『サロメ』みました。すばらしかった。

あらかじめ決められた所作を正確にこなすことから生まれる感動。自在に変化するテンポ、緩急のコントラスト、コントロールされた動き。ここまでは能と同じ。だが、もっと自由で多様な仕草を取り入れていて、その表現は単純かつ明確。

能でサロメの物語が演じられるだろうか?たぶん無理だね。

日本人の男女関係についても考えさせられた。というのは、どうして現代の日本女性が舞踏によって自分を表現しようとすると、外国から輸入された形式によるしかないのだろうか。フラメンコとか、フラダンスとか。

かつては日本の女性も日本独自の形式で表現をしていた。紫式部。出雲阿国白拍子。女性に「やってみれば?」という男がかつてはいたのだ。

それがいなくなったのはいつからだろうか?戦国時代以降?

それからは、男は女性の役を男にやらせるようになった。茶坊主。歌舞伎の女形。女性の美は開発されなくなり、女性から自己表現の方法が奪われた。

なぜだろう?