ベラボーにたくましい人々 〜箆棒な人々〜

竹熊健太郎『篦棒な人々 戦後サブカルチャー偉人伝』読みました。ベラボーに面白かった。

の四人の箆棒な人物へのインタビューを中心とした人物伝。

下は糸井貫二氏についての豊島重之氏の談話の中の一節。

会場の仙台市西公園で私は穴を掘るイベントをやりました。私は美術家ではない。技術もない。それで野外展にかかわるとしたら何ができるだろうか。これはもう二十四時間穴を掘るしかあるまいといって、見物人を集めて、ひたすら穴を掘ったわけです。
まさにこのときですね、糸井貫二が私の前に姿を現したのは。
最初は気がつかなかった。私が穴を掘っているとギャラリーがざわめくので、なんだと思って見ると、向こうの森の陰に外国の神父みたいな黒のいでたちの男が立っているんです。そのままヒュッと前転するとスッ裸になっていて、チラッとこうペニスとか陰毛が見える。で、スタスタスタとどこかへいなくなっちゃう。その場に行ってみると、みすぼらしい森永ドライミルクのカンが置いてあった。カンを開けると、針金で上を向くようにペニスが安置されていました。あたりを見まわすと、あちこちの立ち木に「殺すな」と書かれた紙が貼りつけてある。

著者も書いているとおり、まさに谷岡ヤスジの漫画に出てくるペタシのような人物だ。