よくぞここまで 〜ローズ・イン・タイドランド〜

テリー・ギリアム監督『ローズ・イン・タイドランド』みました。

とにかく主演の女の子がかわいくっていっちゃってて魅力的。ちょっとブリリアント・グリーンの川瀬智子みたい。岡崎京子のマンガに出てくる「妹」にもそっくり。
でも筋書きはとんでもないです。こんな映画に出演してすばらしい演技をしてしまったあの子役女優さんの今後が心配!

!ネタばれ注意!

可愛い女の子のジェライザ・ローズはジャンキーの両親と暮らしている。パパはクラブのロックバンドの歌手、ママは自宅で薬漬け。ローズはパパが大好き。パパの「休暇」のためのヘロイン注射を用意したり、いっちゃったパパの手から落ちそうな煙草を片づけたり、健気に暮らしている(いいのか?)。
ある日、ママが薬のやりすぎで死んでしまう。ローズとパパはママが大好きだったお菓子やら靴やらをママの死体と一緒にシーツでくるみ、バイキングが死者を葬るときの船みたいにする。パパはさらにバイキング風にそれに火をつけようとするがローズに止められてかろうじで思いとどまる。
ローズとパパはパパの故郷デンマークユトランド半島へと旅立つ。バスを降りるとそこはなぜかテキサスのなだらかに起伏する土地に背の高い草が生い茂るプレイリー。「大草原の小さな家」に出てくるみたいなやつ。その中にポツンと「クリスティーナの世界」みたいなパパの生家が陰気な感じで建っている。
入ってみると中はメチャクチャ、埃だらけ。パパはさっそくロッキングチェアーで「休暇」に出発。ローズはこの先ずっとピーナツバター(?)を舐めて飢えをしのぐ。
ローズには四人の人形の頭の友だちがいて、ミスティークとかサテン・リップスとか名前が付いている。ローズは特にお気に入りの二人を人差し指に突き刺して、声色を変えて三人で会話をしながらいろんな物語を作り、家の中の物置を探検したり外へ冒険に出たりする。夢の世界にいっちゃったローズの一人芝居がすばらしい。
外でローズは線路横のひっくりかえたバスを発見する。さらに幽霊女デルと、てんかん症で頭にロボトミー手術を思わせる跡があるディケンズ姉弟と出会う。ローズとディケンズは発作のまねをしたりする(いいのか?)。
家に帰ってもパパはいつまでたっても「休暇」から帰ってこない。実はパパもママと同じオーバードーズで死んじゃっていて、だんだんと腐敗してくる。ローズはパパに祖母のカツラをかぶせ、化粧をする。ある日とうとうパパはディケンズに発見され、デルによって剥製にされる(いいのか?)。そして生きていたときと同じように一緒に食事をし、一緒に眠る。
ディケンズは自分で作った秘密基地を潜水艦と呼び、そして線路をやってくる列車をサメに見立てて敵意を燃やしている。それから人形頭のミスティークがウサギ穴に落ちたり、デルの過去が明らかになったりいろいろあって、最後にディケンズが秘蔵のダイナマイトで列車を爆破してしまう。