次回作はホーマー主演! 〜ダークナイト〜

バットマンシリーズの最新作『ダークナイト』みました。

この映画については良い前評判なども聞いていてとても期待していただけに、正直ちょっとがっかりだった。
致命的なのはジョーカーが怖くないってこと!映画の最初のうちだけちょっと怖くてワクワクしたけど映画が進むにつれてどんどん普通になっていく。ちょっとかっこつけて狂ったフリをしているだけの、知恵の回る小賢しい男になっていくのだ。確かに人や自分の命を何とも思っていないらしいのは分かるけど、それだけ。大人に反抗してるだけ。
あと、船の乗客たちの良心を試すゲームとか、牢獄の中で見張りの警官を挑発するシーンとか(「おまえの仲間の警官はどんな風に命乞いをしてたっけな〜」みたいな)、あまりにもありきたりで子供じみていて馬鹿馬鹿しいと思います。
いやスマン。良い点をあげよう。この映画の中で一番気に入ったのはあのバットマンの秘密基地ね。埠頭にポツンと置かれたコンテナの中がエレベーターになっていて、地下に下りるとコンクリートと白く光るパネルに囲まれた直方体の空間になっている。しかし余計なことだけど、あそこの土木工事はどうやってしたんだろう。工務店に頼んで金で口封じしたのか。まさか工事関係者は皆殺し?いろんな映画で秘密基地を見るたびに同じことを考えてしまう。
あと、投げるとピタッとどこへでも貼りつく爆弾。赤黒い文字で爆発までの残り時間が表示されるので人にもやさしい。グッドデザイン賞受賞。
それにもちろんあのスーパー盗聴システム。みんなが持ってる携帯電話からソナーの原理(!)で周囲の空間の様子までが探知できてしまうすぐれもの。表示のユーザーインターフェースがまたキテる。無数のパネルがグリッド状に並べてあって、ちょっと離れた所から目を細めてぼんやりと眺めるととてもキレイ。きっと卵子を目指して泳ぐ精虫の群の中の一匹になったような気分になれるにちがいない。これもグッドデザイン賞受賞。
ついでにあれだ、携帯電話の電波にガンを焼き殺す放射線治療装置の原理を応用して、どんな場所にあるどんな物体でも瞬時に破壊できるような装置をバットマン・ラボなら作れるんじゃないですか。そしたらもうバットマンなんていらないね。悪いやつらを常時あのスーパー盗聴システムで監視しておいて、ここぞというときにポチッとボタンを押せばいい。ホーマー・シンプソンにだってできそう。シリーズ次回作は恐ろしく退屈になるかも。
イマイチだと思ったのがあの団子状タイヤのバイク。戦車が分解するとタイヤの部分だけがそのままバイクになるってのは、さすがにどうなんでしょう?素人ながら、いくらなんでも首をかしげてしまいました。おまけにとっても運転しづらそう。あんな危なっかしいので街中を暴走するのはやめてほしい。