怨みだけが生き残って世界を変えていく　〜女神記〜

あらすじ

ヤマトの遙か南の海に浮かぶ海蛇の島で夜の巫女として生まれたナミマ。そこでは人も場所もすべてが陽と陰、昼と夜の二項対立で分けられている。ナミマは自分の夜の巫女としての運命を逃れようとして愛するマヒトと島を脱出するが理由も分からないままマヒトに殺されて、怨みを残した魂が漂う黄泉の国へとやってくる。
黄泉の国を支配するのは女神イザナミだった。イザナミもまた愛するイザナキに裏切られ、黄泉の国に閉じこめられたために怨みを残している。一方のイザナキは不死のまま女たちに子供を産ませ続けている。イザナミの仕事はそんなイザナキが愛した女たちを取り殺していくことだった……。

私はカミクゥとマヒトが最初からグルだったんじゃないかと疑ってしまいました。つまりカミクゥはマヒトとその一族を救うためにわざとナミマをマヒトに近づけて子を産ませ、そしてマヒトにナミマを殺させたんじゃないかと。深読みのしすぎでした。カミクゥは本当にいい人だったんですね。それに昼の巫女のカミクゥが腹黒いというのもどうかということもあります。
でも物語的にはそういうのもアリだったんじゃないでしょうか。そうしておけば、カミクゥがナミマに自分の食べ残しを食べるよう勧めたことも、スズメバチになってマヒトを誘うとするナミマをカミクゥが貝殻で弾き飛ばしたこととも符合します。そしてナミマにマヒトを殺されたカミクゥは生ける怨霊となってグロテスクに大暴発する……というのはどうでしょうか（って誰に向かって言ってるのだか）。