カッチャウ!カッチャウ! 〜カーズ〜

ピクサー製作の『カーズ』みました。車だけのアメリカを描いた、とにかく楽しいアニメ映画。

!!!ネタばれ注意!!!

主人公のライトニング・マックィーンはピストン・カップをあらそう自動車レースの期待の新人。ライバルはベテランの「キング」と性格の悪い万年二位のチック。マックィーンはタイヤがバーストしながらも舌(!)を伸ばして他の二台と同着となり、一週間後にカリフォルニアのレース場で改めて優勝決定戦がおこなわれることになった。

ところがカリフォルニアへの移動中に、トレーラーの居眠りでマックィーンは田舎の町に取り残され、元の高速道路へ戻るのを急ぐあまり町の道路をメチャクチャにしてしまい警察につかまる。裁判でマックィーンは道路の補修を命じられる。

最初は田舎町にもその住民にも興味がもてず、とにかくレース場へ戻りたくて仕事にもやる気が出ないマックィーンだが、やがて町の車たち(陽気なレッカー車のメーター、ピストン・カップの伝説の三連続チャンピオンのドック、モーテルのオーナー兼弁護士のサリー、タイヤ交換のめちゃくちゃ速いグイドなど)とふれあい、また町を取り巻く自然の美しさに気づくとともに、彼の態度が変わっていく。マックィーンはなんとかこの町に活気を取り戻したいと考えるようになる。

この町はルート66沿いにある町で、かつては街道を行き来する車でにぎわっていた。ところが10分を節約するために作られた直線状のバイパスが町から離れた場所を通るようになってからはめっきり客が減り、とうとう地図からも消えてしまったのだ。このところの事情が歌にのせてせつなく歌われて泣ける。

マックィーンは町の道路を完璧に舗装しなおしてレースに戻る。それまではクルーも持たず一匹狼でやってきたマックィーンは、今回はドックをチーフとする町の車たちをチームとして戦う。さて、マックィーンは優勝できるのか?


自動車レースやロックが体現するトップ・ガン的な陽気さを基調としながら、町の繁栄と衰退をしっとりと歌って泣かせる。その笑いとペーソスのパターンは名作『トイ・ストーリー』と同じで、また『トイ・ストーリー』に負けず劣らず成功していると思いました。