皮肉はやめてベタにしてみました 〜スターシップ・トゥルーパーズ2〜

『スターシップ・トゥルーパーズ2』観ました。

舞台はある暗い惑星。昆虫型の宇宙生物との戦いで、人類は劣勢に立たされている。この惑星でも歩兵たちが砂漠の中の砦に追いつめられる。

前作(『スターシップ・トゥルーパーズ』)のような明るい青春の場面はなく、すがすがしさもない。あるのは『エイリアン3』のような泥と油まみれの兵隊たちの中での、さらなるドロドロ試合。寄生虫。ゾンビ。

さらに、前作ではそのはしばしにおそろしく皮肉がきいていたが、この『2』では完全にベタ。まず主人公の男(ダックス大尉)が反軍的なことを最初に言うし、最後では一人生き残った女がやはり赤ん坊を連邦のために死なせるということに対して拒否の態度を示す。

何の皮肉もない、説明過剰な映画。この監督は観客を信じられずにすべてを説明してしまう。

ここからあと、ネタばれの危険あり!

この映画のひねりについて言うと、昆虫たちはその幼虫(?)を将軍に寄生させて本部へ送り込む計画だったわけだけど、ダックス大尉とあの女の人がそれを阻止してしまうわけだ。

しかしそれだと面白くないので、こうしてみてはどうだろうか。

実は人類は他の宇宙人や宇宙生物の間では残虐、傲慢、一方的ということで総スカンを食らっており、仲間はずれになっていることにする。

そして、あの昆虫の親玉のような、ちょっとは知能がありそうな形をしたやつが現れて、ダックス大尉を説得するわけだ。

人類はこれこれしかじかというわけでこんなに悪いことをした。生かしておくとこれからも宇宙全体にとって害をなすばかりであろう。人類には電磁バリアによってその空間の中から出られないようにした保護区を用意したから、そこに人類を閉じこめられるよう、協力してくれないかね?そのほうがお互いの身のためではないかね?

つまり人類の「インディアン化」を提案されて、ダックス大尉は熟考のすえにこれを受け入れ、彼は(寄生されてもいないのに)虫たちのために働き始める。

というわけで、ダックス大尉の活躍により連邦軍のお偉方が次々に虫に寄生されて連邦は総崩れ。人類は保護区として指定されたM78星雲(案1)またはクリプトン星(案2)または単に地球(案3)にバビロン捕囚のように連れ去られ幽閉され、外部との通信も遮断されて長い年月がたち、数百世代の進化ののちにウルトラマン(案1)またはスーパーマン(案2)あるいは『猿の惑星』の人類(案3)となって生まれ変わり、宇宙秩序への反抗を(性懲りもなく)再開する……